【21】 ハウリア「戦いは関係ないんだな。で、3483とは?」 ベニヘカ「その末裔が、何も持たない今の俺だ」 ハウリア「質問に答えろ!お前こそ話を聞け! 」 ベニヘカ「惨めなものだと笑ってくれ。どうした。笑ってくれていいんだぞ」
【22】 ハウリア「私めがこれに気付いたのは昨日の日が沈む少し前の事ですから。朝から農園の方へ出かけて、ずっと家を空けていたものですから」 イシマツ「そういえば飛行機の音がしたな。あれは10時ぐらいだったか」 ハウリア「2機が連なって飛んでいたですから」
【23】 ハウリア「何かお探しですから?」 ヨシオ「手ぶらで飛行機に乗るはずがない。何かしら荷物がないかと」 ハウリア「生きて出て行ったとしたら、荷物も持っていくだろ」 ヨシオ「何を焦っている」 ハウリア「別に焦っていないですから」
【24】 アリナ「いや、違います。牛です。この飛行機に牛みたいなペイントをすれば紛れると思うんです」 ヨシオ「牛」 アリナ「牛に見立ててしまえばいいんです。いっぱいいますから。牛」 ヨシオ「よし、干し草を集めてくれ」 アリナ「集めましょう」
【25】 イシマツ「要約すると、樽の中に入った泥を、お湯で溶いて飲むって話です」 ヨシオ「何だそれ。屋敷で何が起きている」 イシマツ「っていうか、お客さんって」 アリナ「そうなんです。あの人、目を覚ましました」 イシマツ「あの男、意識が戻ったみたいです!」 ヨシオ「それを早く言え!何だ今の泥の話!」
【26】 アラタ「あ、ちょ、ちょっと!何ですか!ちょっと!やめてください」 ジム「お前、誰だ」 アラタ「聞くタイミングおかしいでしょ!」
【27】 レイ「え。何で裸なの」 ジム「違う違う。夜通し歩き回って、今、寝ようとしていた所なんだ」 レイ「何で裸なの」 ジム「そしたら見知らぬ男がベッドにいて」 レイ「何で裸なの」 ジム「ま、そんな事もあるかと思って、気にせずベッドで寝ようとした」
【28】 レイ「別にひどい事をされるわけじゃない。ただただ、ロビンソンの為に作物を作ったり、魚を捕ったり、日々の労働をするだけ」 アラタ「何だよそれ、まるで牢獄じゃないか」 レイ「あまりこの島の事に立ち入らない方がいい」
【29】 レイ「新しい看守は日本人だと聞いたわ」 ジム「あいつが?…そんなまさか」 レイ「それはわからない。でも。あの人の事を知る人はいない。自分が誰かもわかってない。だったら誰にだってなれる」
【30】 ベニヘカ「こいつ、暗いのをいいことに、お前を押し倒したじゃねぇか」 ミキ「アナタ、何か勘違いしているわ」 ベニヘカ「殺されても文句は言えない。おい!わかったか、カイ!これに懲りたら、二度とミキに近寄るんじゃない!聞こえるか、カイ!」
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撮影者:佐藤淳一 ※この画像の著作権は団体並びに撮影者に帰属します。