【41】
　マツダ「いかにも欧米人らしい。『これはみなわたしのものだ、わたしはこの国の侵すべからざる王であり支配者なのだ、わたしの所有権は誰がなんといおうと絶対なものだ、という思いがした』」
　ヨシオ「何です。急に」

【42】
　　カイ「最後に、誰がそんな事をしたのかが問題になる。つまりベニが」
　　ミキ「そうなれば、アナタと一緒になれる」
　　カイ「あれ？じゃあそれでいいのか。いや、ちょっと待て」
　　ミキ「心配しなくても、喋ったりしないわ。アナタこそ」

【43】
　　ミキ「私も日本語の意味を知りたいの。聞きなれない言葉で。何て言ったかな。あれは確か、ミズミ　ズミズ　ヲミズ　ヲズミ」
　アリナ「ごめんわからない」

【44】
　　ウメ「そういう生き物？化け物？沼に棲んでいて、人間に悪さをするの」
　アリナ「沼に棲む怪物ですって。おそらく想像上の」
　　ミキ「…想像上？いえ。そういうのは、大抵が、水辺で不慮の事故で亡くなった者の彷徨える魂が、形となって現れたものなの」
　　ウメ「どうしたの。急に雰囲気、怖いけど」

【45】
　　ミキ「テツムオテパパエマナ、テツムオテパパエマナ」
　アリナ「奥さまはカッパに似てらっしゃるって。お前はカッパかって」
　　ウメ「ちょっとなんか、赤の他人に言われるのは嫌ね」

【46】
　マツダ「これを、どこで？どこで見つけた」
　アリナ「さっきここで書いたっつってんの。カイって男が」
　マツダ「その男は、どこでこの文字を知った」
　アリナ「何でアンタに教えなきゃならないの」

【47】
　　ウメ「全身ずぶぬれだったあの人。あの人は河童ですね。そうでしょ？」
　ヨシオ「飛行機のくだりはどうした」
　　ウメ「飛行機は別の話として、全身ずぶぬれだったあの人は河童ですね」
　ヨシオ「お前は鈍いのか何なのかわからん」

【48】
　マウナ「ではこの文字がわかるんじゃないですか？」
　アリナ「これは、確か。カタカタの一番初めの文字。だった気がする」
　マウナ「わかりやすく言えば、何かの中における何かの一番何かの何か」
ハウリア「うるせぇ！言葉を学ぶのは勝手だが、恩着せがましく教えるな」

【49】
　　ジム「そして『指名』の話題になるはず。なにせ今日が期限だ。いいか。これを合図に指名の事を切り出すんだ。忘れるな」
　アラタ「…君たち以外の、誰かを。指名するんだね」
　　ジム「じゃなきゃ、お前がこんな事する意味なんかない。後で屋敷で会おう。もちろん何の含みも持たずにな。必ず来いよ」

【50】
　アラタ「他の誰かを、指名しなくていい方法はないんだろうか」
　　レイ「いい？兄さんのサインは忘れて。これを合図に、私を指名して」
　アラタ「それは…どういう事？」