背景設定.png

IMG_0389.JPG

arasuji.png date.png cast.png settei.png

photo.png keikoba.png movie.png shop.png

殉情館

建築家・妻鹿斎によって設計された、山中に佇む窓の無い建物。
通称「殉情館」と呼ばれるこの建物の形状は見る人間の視点によっては「+」のようにも「-」のようにも見えるといい、また、季節によって東側(春)・南側(夏)・西側(秋)・北側(冬)とエントランスの向きが変化するという。
有端篤が蒐集したこの建築家の手がけた建物には、そのどれもに理解を超えた不思議な力が宿っている。

 
 
MG_2514.jpg


鍵穴の部屋

ラウンジに併設した空間で、入る事ができるのは白い服を着た5人だけである。
他の人間の目にはただの壁でしかない。また部屋の中からはラウンジの言動が見聞きできる。
建物はある瞬間をもって外部との出入り口が閉ざされ、出口を導くには52枚の鍵札の中から正解の1枚を鍵穴に挿入する必要がある。

鍵札

鍵札は黒い数字(A,2,3,4,5,6,7,8,9,10,J,Q,K)が2組、赤い数字(A,2,3,4,5,6,7,8,9,10,J,Q,K)が2組の52枚が存在する。表面には日本語で「動作」が指示されている。
謝った札を鍵穴に挿入すると、
それが黒文字だった場合、館の中にいる不特定な人物にその動作が「加算」される。(~しなければならない、~ぜざるをえない)
同様に赤文字だった場合、その動作が「減算」される。(~してはならない、~できない)

 
 
鍵札.png

鍵札一覧

コウイチ(10枚)

スペード2「おきる」.pngスペード3「ぬぐ」.pngスペード10「わらう」.pngスペードJ「うなずく」.pngクラブQ「たつ」.png
ハート2「のむ」.pngハート3「わらう」.pngハート10「いれる」.pngハートJ「おす」.pngダイヤQ「はしる」.png

カイジ(10枚)

スペード5「すてる」.pngスペード6「いれる」.pngクラブ6「さす」.pngクラブ8「のむ」.pngクラブ9「つかむ」.png
ハート5「きる」.pngハート6「ぬぐ」.pngダイヤ6「たつ」.pngダイヤ8「さす」.pngダイヤ9「しゃべる」.png

ユウシロウ(18枚)

スペード4「なぐる」.pngスペード7「きる」.pngスペードQ「はしる」.pngクラブA「にげる」.pngクラブ2「わたす」.pngクラブ3「おす」.pngクラブ4「しめる」.pngクラブ5「もつ」.pngクラブ7「うつ」.png
ハート4「おきる」.pngハート7「すてる」.pngハートQ「よぶ」.pngダイヤA「つかむ」.pngダイヤ2「あたる」.pngダイヤ3「にげる」.pngダイヤ4「もつ」.pngダイヤ5「うつ」.pngダイヤ7「しめる」.png

ミユキ(6枚)

スペード9「ことわる」.pngクラブJ「しゃべる」.pngクラブK「よける」.png
ハート9「ことわる」.pngダイヤJ「うなずく」.pngダイヤK「よける」.png

ウサゴロウ(4枚)

スペード8「よぶ」.pngクラブ10「あたる」.png
ハート8「なぐる」.pngダイヤ10「わたす」.png

?(4枚)

スペードA「しぬ」.pngスペードK「きえる」.png
ハートA「しぬ」.pngハートK「きえる」.png

物語の時系列

●前段
資産家の有端という男が所有する建物。彼は妻との間に子供が出来ず、養護施設から3人の養女を引き取って育てている。子供たちはまだいずれも1~3歳と幼い有端夫妻は実の娘のように彼女たちを愛し育てていた。
有端は、いずれは所有する建物を1つずつ彼女たちに分け与えようと考えていた。
この物語の舞台となる通称「殉情館」は、いずれ長女のアカリが成人したら譲るつもりでいた。
それまでの間、この建物に住みこんで管理をしてもらうよう、知人である金弥・多夏美夫妻に依頼する。しかし、山奥深くの不穏な建物で生活する事をよしとしなかった多夏美の強硬な反対もあり、金弥は一度は辞退を申し入れる。やがて多夏美は毎日の生活のなかでこの建物の存在などすっかり忘れてしまった。
ある日、金弥は、多夏美と一人息子である大樹の前から忽然と姿を消す。
友人である有端の想いを受け、家族を捨ててまで一人でこの建物に住み、管理を始めた。

●1977年夏(晴れ 後 豪雨)
金弥がこの館へやってきた翌日、かつての仕事であった金弥が、大海は金弥が家族を捨ててまで、この山中の建物の管理をしようとしている事を不審に思う。
金弥は大海が引き起こしたトラブルを、裏社会の手を借りて幾度か解決してきた。
偶然を装ってこの建物を訪れた大海は、自らの結婚に邪魔になった恋人との手切れを金弥に依頼する。

大海が去った後、金弥は館に潜んでいた相神と遭遇する。
金弥が有端から依頼される前に管理人を務めていたのが相神であった。
相神はこの館を私物化していた。それどころか、生まれたばかりの有端夫妻の赤ん坊を攫ってきて建物の地下で密かに育てていた。
許可なく居座っている相神と金弥は激しく争い、一度は金弥が相神を圧倒する。
その時、玄関でチャイムが鳴り、気を取られ隙が生まれた金弥は背後から相神にスパナで殴打され、絶命する。

●1977年秋(台風)
冬子の恋人である大海の遺体を遺棄しに山中へ来た4人の女は、車が故障し、この建物に迷い込む。そこで管理人を名乗る相神に出会う。

●1977年冬(吹雪)
所有者の妻である有端百合江がこの建物を訪れ、管理人と名乗る相神が出迎える。
有端は夫に何も言わずにやってきたため、家に電話をかけると、現在、建物に管理人は置いていないという。
相神の態度に不穏なものを感じた彼女は立ち去ろうとするも、相神が立ちはだかる。
そこへカナメという旅人が来訪する。

有端はカナメの推測に基づき、建物にどうやら地下室がある事に気付く。
1人で中へ進み、木箱に入れられた赤ん坊を発見した直後、相神に襲撃され命を落とす。

●1978年春(強風)
失踪人を探す警察官である埴生は、失踪の届が出ている金弥と有端百合江がいずれもこの建物に関わってる事に辿りつき、捜査を始める。
中の様子を調べに忍び込んだ際に、相神と出くわし、襲われる。
だが、かろうじて片手に手錠をかけ、逃走を阻止しようとしたところで転倒し、両人ともに気を失う。

相神は目を覚まし、埴生が警察官である事に思い至る。
直後、埴生が目を覚ます。
しかし埴生は自分が何者か記憶を失っていた為、相神は善良な管理人を装い埴生の油断を誘う。
手錠を外し、建物を出て行こうとする埴生を、相神は後ろから殴打し、部屋の1つに捨て置く。

相神が館の異変に気付く。
エントランスが閉ざされ、過去にここを訪れた人々が現れた。
それはまるで館の季節ごとの記憶が混在しているかのようであった。

相神がウサゴロウと遭遇する。

過去シリーズとの関連

有端篤は娘たちに所有する建物を一軒ずつ分け与える事にした。
長女アカリには殉情館。次女アオイには深情館、三女アンリには恋情館、四女アカネには劣情館。
「この家に初めからあるものは、何一つ変えてはならない」という言葉とともに。
父親の死後、娘たちはその言葉を忠実に守ろうとし、それぞれの建物をできうる限り管理してきた。
しかしそのどれもが山奥深い不便な場所にあり、彼女たちにとっては重荷でしかなかった。
事実、四人のうち、三女アンリ(#14【恋情しみつく赤絨毯】)と四女アカネ(#11【劣情もよおす六面体】)は結局、所有権を手放し、次女アオイ(#22【深情さびつく回転儀】)にいたっては謎の失踪を遂げている。

プレゼンテーション1.png