【61】 屋久「そうか。結果はどうでもいい。要はそれで彼の気が済めば、嘘でも本当でもいいんだ。視てもらったっていう事実が重要か。それで諦めもつくだろう。霊媒師に諦めるように言い含めてもらって」 公彦「この部屋に、住んでいるんですか、その霊能力者の方が」
【62】 結有「それで、何かわかった?」 キコ「見聞きしたものが多すぎて。なかなか絞りきれない」 イオ「やっぱり懐かしい声がした…。今、ここにいたのは誰?」 キコ「ああ、アレは…、ハムくんだよ」
【63】 真奈「でも、数日前から奥さんの、お父さんが来てらっしゃるみたいで」 結有「あ、それ言っちゃダメなヤツ!」 真奈「しばらくこちらで一緒にという話でしたけど」 神宮「妻の父親は亡くなっていると聞いてますが。どういう事でしょう」 真奈「これ言っちゃダメなやつだ。じゃあ、生き返ったんじゃないですか?」 神宮「ちょっと言ってる意味、わからないですけど」
【64】 公彦「お約束もせずに、すみません。今日、お願いたいのは、娘の」 神宮「生きてらっしゃったんですね」 公彦「そうですか…生きてますか!よかった!…いや、周囲の人間は、皆、まるで娘が既に死んでいるかのように扱うものですから」 神宮「娘さんが?いや、とても元気にしてます」
【65】 公彦「アナタならできるんじゃないですか?何て言ったかな。生き死に関係なく、その人間の…特徴とかとらえて、デフォルメして、見せる」 神宮「モノマネをしろって事ですか?彼女の?今ここで?」
【66】 キコ「物に触る事はできる。でも、自由にできるわけじゃない。わかるわよね?私がこの部屋で今まで何をしてきたか」 結有「あ。それって、何か指示を貰わないとダメなの?」 キコ「必要以上に干渉できない。でも、思いが届かない事もない」
【67】 公彦「アナタの口を通して聞こえてきた気がする!アナタは本物なんですね!今、どこにいるのか聞いてみてください」 神宮「私がですか?…あのー、今、どこにいるのかな?」 結有「聞かれてるよ。何か答えなきゃ」 イオ「いい答えが見つからない。…あ。『駅前のコンビニで』」
【68】 ミヨ「こいつ、あのマコトじゃん!ええと、整理しよう。アイツ、私が死んで?その後、他の女と結婚して幸せに暮らしている。さ、どう」 結有「ん?ん?ん?二人って…昔?」 ミヨ「いやー。これは。冷静ではいられませんけど。ねえ、何で?何で?」
【69】 ミヨ「呪い殺そう。私をテレビにしまってくれ。そこから出てきてやる」 キコ「その手法はもう古い」
【70】 神宮「痛ってぇ!ケツが!ケツが急に割れた!さっきから何だよ!」 愛実「私、何もしてないわ!」 結有「もうやめてあげてよ!満足した?彼が憎いの?復讐したいの?アナタがこの世界に遺した想いって、そういう事なの?」
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撮影者:佐藤淳一 ※この画像の著作権は団体並びに撮影者に帰属します。