【81】
堀之内「糸織ちゃん。何やってんの。そろそろ妖精入場の音楽」
高松「入場。はい。入場？入場のタイミングって事は」

音楽が流れる。

堀之内「ちょっと。これ、俺の入場曲！」
高松「ヤバっ、仕事用のＰＣ持ってきたんで。色々混ざっちゃってて。えーと。私、軽くパニくってます」
堀之内「おい。あれ、何だ」

【82】
地蔵堂「私は大地の妖精……『コッペ』」。
豊川「パンかよ！」
地蔵堂「願いを。かなえよう。さあ、願いを言え」
並木「怖い！…助けてください！…帰ってください！」
地蔵堂「わかった。この世界から税金を無くし、全てを虚無に還そう」

【83】
荒井「だ、大丈夫！赤ちゃん。は無事。です！」
染井「ちがあああう！これちがぁぁぅ！」
荒井「いや、あの、これ、赤ちゃん、って事にして」
地蔵堂「むしろ。私は。青ちゃんだ。さあ、願いを言え」

【84】
並木「あの。このお母さんがすべて悪いんですか？父親は？何をしてたんですか？いつも私ばっかり。あの人、家に帰っても来ないで、なのに私が好きな事していると怒るし。私の時間はどこにあるのよ」
荒井「…梓布ちゃん。それは、君自身の事情であって、ここでは」

【85】
豊川「それは…、だって。子どもの事を第一に考えてるのかい？自分たちの時間が無くなるのは当然なんだよ。それが子どもを育てるって事なの。結局、なんだかんだ言って大人になりきれてないのよね」
荒井「…真弓さんも。自分の境遇を愚痴ってるだけっすよね？」

【86】
並木「その間違いを認めたくなくて私に当たってるんですよね」
豊川「やめなさい。朝食の最中ですよ」
千早「じゃあ、生活は楽になった？」
並木「どうしてこの社会は私を助けてくれないのよ！？」
豊川「子どもがまだ食ってる途中でしょうが！」
大和田「北の国からは偉いっ！」

【87】
大和田「らっしゃーいませー！今日は何にしやしょう！」
千早「あのここ、警察ですよね」
染井「警察！娘が…娘が誘拐されたんです！娘を助けてください！」
大和田「ええ？何？そんな台詞あった？あの…犯人逮捕に二万円と別途」
染井「こ、これでお願いします。ミホちゃんを、助けて」

【88】
堀之内「さあ、通行料を払ってもらおう。グヘヘ」
千早「離して！誰か、助けて」
染井「この人です！この人が誘拐犯です！誰か！」
堀之内「何でだよ！…絹佳ちゃんどうした。様子がおかしいぞ」

【89】
染井「今朝…娘を送り出した後、しばらくして『誘拐した』という電話があって。さっき職員室で確認してみたらやっぱり登校してないって」
大和田「じゃあ、ここでこんな事している場合じゃないだろ。警察に通報は？」
染井「通報したら命はないって。だから。夫は海外で。連絡はしてあるんですけど、すぐに帰国はできなくて。身代金で一億円要求されてて」
大和田「一億？！」

【90】
長崎「染井さん。そこのアタッシュケース。持って行ってください」
若葉「レプリカ持ってってバレたら無事じゃすまないでしょ」
長崎「これ、本物ですよ。どうせなら本物使っちゃえばいいと思って」
大和田「本物の一億がはいってるのか？…お前、やっぱりぶっとんでんな」