徳大寺製薬会長・徳大寺義孝が亡くなった夜、顧問弁護士立会いの下、公開された遺書には
「後継者は多数決で決めよ」
という信じがたい言葉とその決の方法「EZ」が指示されていた。
・遺言者は相続人を指名する。
・相続人の相続を承認するか否か、9名の投票にて多数決する。
・投票者のうち6人には「+1点」と書かれた投票札を5枚ずつ配る。
・投票者のうち3人には「ー2点」と書かれた投票札を5枚ずつ配る。
・誰がどの札を持っているかは、その本人にしか知りえない。
・また、候補者に自発的に明かす事はしてはならない。
・投票の際には、手持ちの札から1枚を、賛成か反対に投じる。
・得票数は投じられた点数の合計に該当する。
・相続人は、投票を5回までやり直す事ができる。
・賛成票の点数が高ければ相続を認める。
・反対票の点数が高ければ、相続人を含めた10人で財産を等分する。
・賛成票及び反対票の点数ががどちらもゼロ(「イコールゼロ」)の場合、投票は即終了とし、法定相続分以外を慈善団体に寄付する事とする。
水無瀬絵図