outline.png

outline_top.png

1index.png1outline.png1date.png1cast.png1photo.png1keikoba.png1movie.png1online.png1hp.png

read1.png

生体複製技術研究室では、その日の早朝、小柴研究主任(小川麻琴)と矢形上席研究員(小原雄平)の主導により、215回目の実験が行われていた。1方のユニットの中の物質を、もう一方のユニットへ複製する技術であるが、一致率60%という誰の目にも明らかな失敗であった。矢形は研究室長の小田(古川康)に実験の失敗を報告する。小田は別居中の妻との私的な電話の最中であったが、矢形に対し、研究の中止をそれとなく提案するが、矢形がそれに耳を貸す事はなかった。小柴率いる研究室の若きチームには度重なる失敗に、諦めの空気が漂っていた。小柴の研究理論に誤りがあったのではないかと感じている観山(西田彩夏)と仁科(瀬崎良太)に対し、小柴に心酔している本多(犬井のぞみ)は反発する。有馬(馬上亮)は実験の失敗が自分の設計したユニットの不調のせいにされ、事あるごとに矢形に叱責を受けている事に辟易していた。

0033.jpg

read2.png

一方でチームに属しながらも自らの研究に時間を費やしている明池(岩田裕耳)の助手をさせられている戸塚(工藤さや)は内心、退職しようかどうか悩んでいた。そんな中、チームの中で慕われていた休暇中の尾久上席研究員(新野アコヤ)の乗った飛行機が墜落したというニュースが飛び込んでくる。それを象徴するかのように、仁科の不注意により、尾久が大事にしていたコーヒーカップが割れてしまったのである。その日の夜、小田の元に216回目の実験が成功したという報告がもたらされる。オブザーバーとして研究室に席をおく江崎上席研究員(大野泰広)は、その結果に一抹の不安を覚える。先走った小田が科学省に報告してしまった為、明日、技官の前で再び検証を行う必要にせまられたからである。江崎は元々、この研究に懐疑的であった。

0066.jpg

read3.png

翌日、研究室に尾久の姿はあった。帰りの空港に向かうタクシーが偶然遅れ、事故機に乗る事を避けられたのである。尾久は無事を喜びつつも、仁科にコーヒーカップを壊されてしまった事にショックを受ける。室長室には科学省の技官・狭川(なしお成)が、前日の深夜に成功したとされる実験の検証と聴取に訪れている。狭川の態度は初めから実験結果に疑いを持っている様子であった。そんな事より小田が当惑したのは、彼女が別居中の妻本人であるという事であり、それは研究室の誰も知らない事である。

0089.jpg

read4.png

江崎と尾久は、小柴と本多に技官の前での検証実験を要請するが、彼女たちの態度は冷ややかであった。一番の問題とされているユニットの不備を調べる為、江崎と尾久はそれぞれユニットの中に入ってみる。そこへ仁科がやってきて、前日に矢形より命じられたレーザー照射実験の準備を始めた途端、ユニットが稼働する。中にいた江崎たちは、意識を失ってしまう。誰もいない研究室で、マイクに向かっている明池の元へ、戸塚が訪れる。明池の研究は音波を過去や未来に飛ばす事を可能にする研究であるが、その成果は全く上がっていない。戸塚は明池の研究が成功したら、昨夜の矢形に忠告するのだと言う。「明日、死んじゃいますよ」彼女は矢形が部屋で死んでいるのを発見したのである。

0138.jpg

read5.png

明池と戸塚が矢形の部屋に向かうと、部屋の前で有馬と出会う。有馬は矢形を別の場所で見たという。部屋に入ってみると、確かに矢形の姿は無かった。狭川は小田が自分を研究所から遠ざけようとしている事にやましさを感じていた。元々、別居の理由は、小田が研究室の誰かと浮気をしているのではないかという疑念からの事であった。そこへ戸塚が矢形の件を報告に訪れるが、小田は戸塚の入室を拒む。なぜなら彼女こそが、浮気相手であり、退職しようと考えているのも妊娠が理由だからである。そして戸塚は小田が既婚者である事すら知らない。小田の態度に狭川は一層の疑念を深めた。研究室では意識を失ったままの江崎達を前に、小柴たちが困惑している。技官の前で実験を披露するように要請する小田に対し、小柴は頑なに拒否し、江崎たちの事故を隠そうとしていた。やがて江崎(道井良樹)と尾久は目を覚まし、ユニットから出てくると、そこには昨日壊れてしまったとされる尾久のコーヒーカップが存在した。研究室で交わされている会話の内容から、自分たちが一日前にいる事に気付く。

0276.jpg

read6.png

明池と戸塚に要請され、嫌々ながらも江崎は、矢形を殺害した人間を特定する為に再び一日前に戻る。同様にして尾久は、自分の愛用のコーヒーカップが壊される前に回収するという小さな理由から一日前に戻る事になる。江崎は矢形に身の危険を忠告するが相手にされず、有馬が矢形に殺意を持っていた事から、それを翻意させようと奮闘するも上手くいかない。
それどころか、前日の自分と度々遭遇する危機にも見舞われる。尾久はカップの回収に何度も失敗し、その都度、過去と現在を行き来する事になる。そして不運にも巻き込まれる形で一日前に来てしまった狭川は、小田の浮気相手が誰なのかを特定するに至る。やがて何度も過去への転送を繰り返していくうちに、本多が実験データを改竄している事に気付く。

0506.jpg

read7.png

有馬は観山が矢形が死んでいたのを知っていた事に気付く。同じくして江崎は昨夜、観山が矢形にコーヒーを淹れていたのを思い出す。観山は矢形が本多を唆して実験結果をねつ造させた事に気付くも、自らも研究費の不正使用を矢形に握られていたのである。過去を変えても現在が変わる確証はないし、観山が罪を犯したという皆の記憶が消える事はない。それでも、無数に存在する過去の中には、矢形が活きている過去も存在するはず。一日前に戻った江崎は、観山が矢形に供したコーヒーを取り上げ、実験結果をねつ造した矢形を糾弾する。科学技術はスピード勝負であり、研究を手放してはいけないと開き直る矢形に、研究者の在り方を説く江崎。こうして、矢形が死ぬ事を阻止した。それでも、翌日において矢形は生き返っているわけではなかった。

0841.jpg

read8.png

だがとある瞬間、重なりあった過去が収縮し、矢形が生きている未来が出現したのである。実験結果をねつ造した事を追及する狭川に対し、小柴は実験が成功していると主張する。それは女性研究者としての期待と重圧を背負いこんだ、彼女が見た夢やただの願望だったのかもしれない。呆然とする小柴に、江崎は願望こそが研究の原動力であると優しく諭す。小柴は諦めずに生体転送研究に向き合う決意を新たにする。そこへ壊れたはずのユニットの中から現れたのは1日後の江崎であった。彼は翌日、実験が成功すると報告する。小柴は笑って研究室を後にした。江崎と1日後の江崎が鉢合せとなった時、スピーカーを通して明池の声が聞こえてくる。それは翌々日の声であり、2日後の江崎がこちらへ向かっているという。そして稼働音の後、ユニットの中から出てきたのはもはや別人にも見える江崎(谷仲恵輔)であった。

0939.jpg