【91】 カイジ「おい、コウイチ。何を泣いてんだ」 コウイチ「…新尾さんが。…立った」 ウサゴロウ「意味不明だ」
【92】 相神「窓もないこの建物で暮らしていると、今がいつなのかを感じられなくなる。季節すら。ふらりと立ち寄ってしまったこんな建物で、運命が狂うなんて事も、あるんでしょうね」 要「建物に罪はないでしょう。その中にいる人の業の結果ですよ」
【93】 相神「大海さん。ただ今の貴方と外の貴方が、同じ物とは限らない」 大海「はぁ?同じに決まってんだろ」 相神「この数か月間に、何も無かったとしたらですがね。今は78年の春です。果たして貴方は生きていたか、死んでいたか」
【94】 要「相神さん。この建築家は建物に必ずある思想を込める。『因果応報』です。悪は悪ではいられない」 相神「覚えておきます。要さん。外は4月ですから。その恰好は」 要「4月。ですか。暖かいんでしょうね。外は」
【95】 相神、木箱を運んできてテーブルに置く。 相神「邪魔な物は皆消えた。またここで父さんとゆっくりと暮らそう」
【96】 ソファの後ろから血塗れの有端が現れ相神の首を絞める。 相神は必死に抵抗するも、やがて失神する。
【97】 有端、木箱の中の赤ん坊に触れる。 有端「会いたかったわ。アナタのお母さんよ。…アカネ」
【98】 千秋「良かったらウインナー食べて。甘めに作ってあるから」 冬子「シンちゃん。2年生?また大きくなったんだろうね」 千秋「あいかわらず生意気盛りで困るのよ。タイヨウは?もう1歳?」 冬子「すでに気が強くて手を焼いているわ」
【99】 春香「私、子供が欲しいって思うようになって」 埴生「何だよ。唐突に」 春香「彼女とそういう約束したから。…だから」 埴生「いや、ちょ、ちょっと待て、そんな急に」 春香「私、今度結婚するの」 埴生「おめでとう」
【100】 ミユキ「暮らし始めて2年、25年後には1億円になって。その頃にはあの子が27歳か。またどこかで会えるといいね」
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撮影者:佐藤淳一 ※この画像の著作権は団体並びに撮影者に帰属します。