【1】
シム「ここは何をする部屋でしょうな。我々ですら存在を知らなかった」
コバル「形だけの役場になど、普段立ち入りませんから」
セナイ「暗いじゃん。え、皆、いる?近くにいる?」
フラノ「コバル。明りを。…この人、普段の言動からは想像つかんな」
ナトリ「主任。子供じゃないんだから」
【2】
ナトリ「アナタは何者です」
タダキ「囚人だ」
セナイ「囚人で?檻もないのに?逃げないの?ちょっとよくわかんない」
タダキ「自分の意思だけで自由にここを立ち去れない。制限されている」
【3】
ハッシ「新しい町長を選ぶなんて言ってるが、それでどうなるものか」
サマ「いっその事、盗んできちゃうとかね。西側から」
ハッシ「どうやって向こう側に行くんだよ。軍にバレたら大事だぞ」
サマ「冗談。でも、そうでもしなきゃ、もっと大変な事になるらしいじゃない?」
【4】
サマ「あの数字、何なのかしらね。何ていうか。目障り」
ハッシ「何って。秤だろ。今、この上にウルが3つあるって事を知らせる」
サマ「知らせる必要、ある?だって見たらわかるし」
ハッシ「昔は数えきれない程のウルが取れたんだ。その名残だ、この秤は」
【5】
シム「…どうした。このカウントは?」
タダキ「そこにいた男が言ったよな。1人閉じ込めてあるから「1」。実に解りやすい説明だ。つまりあそこに3って出ているなら、3人閉じ込めておかなきゃ辻褄が合わないと思わないか」
【6】
ナトリ「答えなさい。あのカウントが終わると、どうなるの」
タダキ「頭の上にある町が滅ぶ。…俺が、檻の無い牢から大人しく逃げないでいるのは何故だと思う」
【7】
ミド「牢獄…なのに、檻がないとは。牢の意味があるのでしょうか」
シム「我々は、訳あって、この床の上を出る事ができません」
ノーベン「ほう、それは興味深い。檻のない牢とは。ミド。あまり近づくでない。牢である以上、こいつらは罪人という事になる」
【8】
シム「閣下、もう一度お願いします。セナイ副長を呼んで頂きたい。我々が何者であるか、ここがどういう場所であるかご説明いたします」
ノーベン「黙れというに!戻れというに!いうにというに!」
【9】
タダキ「人間ってのは矛盾してるな。死を恐れる本能がありながらも、常に闘争する事を欲する。お前たち、簡単に戦争を起こすくせに、何故死から目を逸らす」
ノーベン「いや、別にお前のいう事を信じたわけじゃない。が、カウントダウン的な物も気になるから、一応戻れと忠告してみる!戻れ!」
【10】
タダキ「お前もこっちに来てみろ。動物の気持ちがわかるだろう」
ノーベン「こーら!やーめーろーよ!はーなーせーよ!」