【81】
ダムス「アンタの愛したものは、ビスキアの建物か？街並みか？土地か？そんな物だけでは町と言わない。そこに暮らす人がいないと」
セリ「……仰る通りだと思います」
【82】
ダムス「よし、シミュレーションしてみよう。俺を兵士だと見立てて」
ニコル「囮として床に乗る。近づいてきた兵士を掴んで引っ張り込む！」
ダムス「その手を振り払う！」
フミコ「じゃ、じゃあ私が後ろから近づき、背中を押す！」
ダムス「それを避けてお前を押し込む！」
ムゴル「ダムスくんダムスくん、落ち着いてくれたまえ」
【83】
セリ「私は寝ている！」
ムゴル「お前達は穴に隠れてろ！」
【84】
セリ「私も。誰より町の事を考えているのは私です。それは譲れません」
ニコル「セリさん。アナタを誤解していたようです」
【85】
ナトリ「主任、天井がありません。…そちらの壁もなくなって」
フラノ「この者達、邪魔ですな。すぐに追い出しましょうか」
ナトリ「天井がないなら、ここに避難する事自体意味がないと思います」
セナイ「そうじゃん、寧ろここ危険じゃん。出よ、出よ」
【86】
セナイ「貴様ら、どういうつもりだ。…邪魔だよ！踏んでもいいのかな！」
【87】
セナイ「お前の身体を半分に引き裂いて、２人分にカウントできないか」
フラノ「いえ私なぞ、人間としての中身が半人前ですのでおやめください」
【88】
セナイ「不自由なＡＬどもが！下手な自我をふりまわしやがって！」
ニコル「不自由な私達にできる事はたったこれだけの事。たったこれだけの事に振り回されるアナタ方も、不自由な人間なんですね」
【89】
サマ「…時間が無いって、どういう事？アナタ達は、何に怯えているの」
セナイ「故郷が一度、どうやって滅んだのか。幼い記憶では辿れないか」
サマ「…あの日、…空から水が降ってきて…、…まさか」
【90】
シム「無様ですね。今なら、ノーベンの気持ちがわかる。確かに。良い眺めだ。檻の中の動物たちを見るのは」
ナトリ「アナタも私達が逃げ出さないように見張っていなければならない。こちらから見たら、アナタの方が檻に入っているみたい」
シム「いかがですか。主任。ＡＬに刃向われた気分は」
セナイ「話が違う。こんな危険な場所だとは聞いていなかった。ビスキアの民は自我を持つには程遠い連中だと聞かされていた」
