【11】
シレオ「一部屋で構いません。他の部屋と離れた所がいいんですけど」
レジーナ「今日は部屋が殆ど埋まっていて。一番奥の部屋でしたら」
シレオ「ありがとう。使わせてもらいます」
【12】
ペルーナ「玄関の外で座り込んでいたんです。顔色が悪いですけど」
オルニット「…いえ、大丈夫です、別に」
ペルーナ「お父様が探してらっしゃいました。お部屋に戻っているかと」
【13】
ノバ「海は荒れて船も流された。本島へ帰る手段もない」
パル「心配するな。そのうち本島からの救援が来る」
【14】
エゴ「今ここは隔絶した島という事になる。状況は悲観するほどでもないが、先が見えない不安によって、我々の生活まで壊れてしまう。我々と彼女の間に、ルールが必要じゃないか?向うにこちらの要求を伝えよう」
【15】
奥田「例えば、この【民衆】という単語と【~てはならない】という禁止即の単語を加えて並べてみると、【民衆】は【船】に【立ち入って】【はならない】という文が出来上がる」
【16】
宍戸「『しちゃいけない』とか『しなくてはならない』とか、随分と息苦しい国だったんですね、あの国は。…夕べも見ました?」
右崎「不思議じゃない?不思議を通り越して、怖くない?」
奥田「二週間もここにいたら頭の中が、どうかするんでしょうよ」
【17】
甲斐「やはり、ボートは高波で流されてしまったそうです」
辻村「え…、じゃあ、私達、どうやってここから出たら」
小早川「本島と連絡とって、迎えに来てもらえば」
エンドウ「残念ですが、ここには、連絡手段が、ありません」
【18】
辻村「古関さん、心なしか、うきうきしてませんか」
古関「わくわくしない?奥底に眠るサバイバルなものが疼くというか」
奥田「しないね。奥底に何を飼ってんだよ」
【19】
エンドウ「彼らは、皆さんにお願いがあるそうです」
堀内「何でしょう。聞き入れられる範囲で、お応えしますが」
エンドウ「…まず、毎朝、渡している、食糧を、少し減らしたい」
辻村「やっぱり、そういう事だったんですね」
【20】
宍戸「…妙に驚いていたような。…単語の並びでしょうか。【王】は【民衆】に【命令する】…この意味を読んで怯えていたの?」
甲斐「彼らは…この意味に従ったのでしょうか」