【31】 未世「ただのゴミじゃないって事よ。普通に捨てられない物って何?」 神宮「一つしかないだろ」 未世「…え。まさか。……女性が失踪してるのって」 神宮「カメだよ。大きくなったカメだよ!部屋で飼えなくなった!」 未世「どういう発想してんのよ」
【32】 未世「え。待って。自分が出かけてる時、これで私を見張ってたって事?」 神宮「そうじゃない。録画してただけだ」 未世「私に内緒で?隠し撮りって事よね!」 神宮「今はその話は置いておこう。池に誰が何を捨てたのかが問題だろ」 未世「いいや、隠し撮りのが大問題だわ。私を見張ってたって事?」
【33】 神宮「どうやって見るんだこれ。どうやって再生するんだこれ」 未世「知らないで使ってたの?っていうか、今までどうやって見てたの」 神宮「…見てないんだ。だって。怖いから」 未世「何か、データのUSBメモリのスティックカードだのチップがどうとかのWIFIなんじゃないの?私よくわからないけど。最終的にパソコンで見れるみたいな。わからないけど!」
【34】 男 「お前は一人じゃない。俺がいるじゃないか」 未世「誰!誰!誰!」 男 「誰と喋ってるんだ」 未世「アナタです。アナタに聞いてるんです」 男 「またか。話の相手なら、俺がいるじゃないか」 未世「独りにしないでとは言った。これじゃない。こういう事じゃない」
【35】 未世「当たり前の質問でしょ。だから誰なんですか、え?」 男 「もちろん、お前の、お母さんに決まってる」 未世「色々おかしい。いや、おかしい。頭おかしい。服おかしい」
【36】 未世「レイプ魔?」 男 「それが一番正しい」 未世「よしよし。人を呼ぼう」 男 「それは間違っている。大間違いだ」
【37】 男 「そんな、酷い言い方をしなくても」 未世「泣くぐらいなら、初めからやるなっての!今、警察、呼びますから」 男 「呼ばれる資格はない。俺はただの、ルナブリンガー猛」 未世「え、あの有名な?いや知らねぇわバカ」
【38】 神宮「そうなんだな?アンタ、未世の会社の上司の。池田さん?『やっぱり池田』さん?」 男 「それが一番正しい」
【39】 神宮「明らかな嘘ですよね。やっぱり池田さん。池田さん。あの、何てお呼びしたらいいんですか?池田さんでいいんですか?」 男 「そう呼ばれる資格はない。俺はただの、ルナブリンガー猛」 神宮「何だその名前。何?る?ルナ?ブリンガー?ルナブリンガー?」 男 「何言ってんだ」
【40】 神宮「家族に対する責任も投げ出してる男がさ、他の女を幸せにできるんですか?無責任じゃないですか!」 ―男、コーヒーを口にして飲んで思わず吹き出す。 男 「なんだ。やぶから棒に」 神宮「汚ねぇなさっきから!飲む気がないのかよ!人の家のコーヒーを」
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撮影者:佐藤淳一 ※この画像の著作権は団体並びに撮影者に帰属します。