【31】
阿倍「いいんですか?お兄さんに味方すれば遺産を分けて貰えたんでしょ?」
紫「だから。私は賛成に入れたわよ。なのにあの人、まるで私が裏切ったかのような言い方して。もう協力する義理は無い」
【32】
小倉「事故に遭われた日、何か変わった事は」
祐子「変わった事…そう言えば、事故の朝、お義父様のお部屋にお茶をお持ちしようとしたら、夫に呼び止められまして、自分が運ぶからと」
【33】
光孝「在原さん、アナタまさか、反対票を入れてるんじゃないでしょうな」
【34】
在原「私の息子が何をしたというんです!」
光孝「…全くわかりません。詐欺師?私がそんな事を言いましたか?」
在原「息子は、まだ小学3年生ですよ!」
【35】
小倉「それが居眠りだったとして。それは疲労などではなく、例えば薬とか」
在原「睡眠薬を飲んだとでも?そんな状態で車を運転するはずは」
小倉「自分の意思じゃなく、誰かに知らず知らず飲まされていたとしたら」
【36】
紫「その絵が気に入った?美しい風景ですものね」
小倉「ええ。ただ、これは意図的に作られた風景なんです。合わせ言葉なんですよ。これは。合わせ言葉でできているんです」
【37】
阿倍「しかし彼女には愛想が尽きました。もう別れました」
祐子「え。付き合っていたんですか?」
阿倍「付き合ってはいませんが」
坂上「この人ちょっと、怖いな」
【38】
小倉「あの日、父の部屋までお茶を運んだのはアナタらしいじゃないですか。その日に限って。その際、薬を入れる事はできましたよね」
光孝「…私が?…睡眠薬を飲ませたとでも?」
【39】
和泉「…アナタは?財産のおこぼれ目当てですか?」
坂上「いえ。僕は、一刻も早く早く帰りたいんですっ」
【40】
在原「マイナス2点を持ってるのは3人。その3人が賛成に入れたって事?」
紫「これってつまり、兄さんの相続を誰も認めてないって事よね」