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【91】
ロドニー「お前が、アトリーを?」
サイモン「だとしても。もはや、愛情も殺意も覚えていない」
ロドニー「グレース。知っていたな?メモの提出をしろ」
グレース「彼が誰を愛し、何を想ったのか、内側の事は記録できません」
ロドニー「わかっているか、この国では同性愛者がどんな扱いを受けるか」
サイモン「それでも、ナチスよりましだ。あの国では私のような人間は、遺伝子的に劣っていると見做され、排除されるだろう。だから私は、あの国との戦争に命を削った

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【92】
 アリス「壊れているの?」
 ソール「ああ。随分前から。…騙していて、申し訳なかった」
サイモン「続けるんだ。博士。チューリングは研究を続けている。愚かしい戦争の中から、暗号解読の技術が生まれた。アナタはそれを、戦争とは関係ない技術に生まれ変われせる。そこに希望がある

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【93】
スパイク「ドイツのエニグマは、イギリス連邦の他の国に配られた。って」 
 モニカ「そうか。暗号技術を、そういった国々は開発できないからだ」
 ソール「だが、とっくに破られている技術だ。意味はない」
  シド「破られてるって、誰が知ってんだよ。世間は知らない」
 サリー「解読できないふりをして、空爆を阻止しなかったぐらいだから」
スパイク「そうとは知らずに、使ってるって事?かわいそうじゃない?」

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【94】
スパイク「全く。ひどい国だな」
ロドニー「それが世界の覇者たる大英帝国に求められる強さだ。何が悪い」
  シド「その大英帝国が俺たち民族を、祖国から引き裂いた」
ロドニー「世界の秩序を作るのはいつでも勝者である。常識だ」
  シド「胸糞悪いな」
 アリス「国家としての、驕りね

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【95】
ロドニー「さてセス。お前にも詳しい話を聞こうか?内通者としてな」
  セス「俺に?自白しろと?証拠を提示しろ。あるはずもないな」
ロドニー「確かに。それは困った問題だ」
スコット「いや。ポケットの中を見てみろ」

―ポケットの中からナチスの紋章のカードが出てくる。

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【96】
 モニカ「博士。人のエゴを超えたところに、技術の高潔な精神があると思います。続けるべきです」
 ソール「チューリングなど、どれ程の者だ。私は人工知能を作ってみせる」
 シーラ「科学や技術が進歩するのは便利になっていいと思いますけどね。それで見えなくなることもあると思うんだけどねぇ」
 ソール「どういう意味だ?」

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【97】
スコット「素直に謝罪しよう。これ以上、探られるのも不愉快だ。だがこの事は公表しないでくれ」
ロドニー「いいだろう。内密に処理する。ケンブリッジというのは嘘なのか」
スコット「確かに。チェスチャンピオンというのは嘘だ」
ロドニー「ん、そこか。…チャンピオンではないと」
スコット「本当は、将棋チャンピオンなんだ」
ロドニー「わかった。行っていい

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【98】
 シーラ「あらまあ。これはまた質のいいコートで」
ロドニー「裏地か?そんな派手な色ではなかったような気がするが」
 サリー「自分で縫い付けたのよ」
ロドニー「お前に赤は似合わない」
 サリー「そうかしら。…ロドニー、私はこの仕事続けたい」
ロドニー「俺は家庭に入って欲しい。お前にこの仕事は似合わない」
 サリー「私の事は何でも知っているのね」
ロドニー「夫婦だからな

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【99】
 アリス「赤。ああ。私には茶色に見えるのよ。そういう目なの」
 シーラ「神様は優秀な頭脳と引き換えに、何かを奪ってしまわれたんだ」
 アリス「単に、遺伝子的に劣っているだけよ。ドイツでは、私のような人間は存在することが許されなかった。だから私は必死になって、奴らの暗号を解いた。サイモンも私も、同じような動機で戦った」
 シーラ「ご苦労様でございました」
 アリス「驕っている国家は必ず没落するわ。この国がそうならないように、祈るばかりよ」

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【100】
―サリー、通信機器の所へ行き、どこかに通信を始める。

 サリー「…ответ…Москва…Я…Перед…утродочь…………」

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撮影者:佐藤淳一  ※この画像の著作権は団体並びに撮影者に帰属します。