【41】
　　セス「『内通者が誰なのか、確証を摑んでいるのか？』」
　モニカ　「『ノー』」
　　セス「どっちなんだ！『今すぐ出てこい』」
　モニカ「『ノー』」
スコット「おちょくっているのか！…ドアこじ開けて、中に入るぞ」
　　シド「すげぇ怒ってるみたいだけど」

【42】
サイモン「アトリーが中にいると。信じたようだ」
グレース「…まさに人工知能ね」
ビッキー「どういう仕組みなの？まあ、聞いてもわからないだろうけど」
　アリス「博士。次はもっと具体的な会話に挑戦してみたくないですか？」
　ソール「会話…となると、更に膨大なデータ量になる」
サイモン「例えば、決まった言葉に決まった言葉で返す程度の事では？」

【43】
　サリー「相手に興味がわけば、自然と話したい事もでてくるでしょ」
サイモン「そこまで相手に興味を持てない場合もある」
　サリー「普段、どうやってコミュニケーションをとるんです」
サイモン「重要な事は文字に起こす。グレースがやってくれているように」
　アリス「…会話」
ビッキー「…悩み過ぎじゃない？」

【44】
　シーラ「私はスパイですよ？簡単に口を割るわけないでしょ」
スコット「スパイは自分でスパイとは名乗らないものだがな」
　シーラ「ほら。これが例の手紙ですよ」
スコット「見せるのかよ！……これは？恋文か？」
　シーラ「勘違いしないでよ。私がアンタにあげたわけじゃないからね」
スコット「わかってる。…このＳ・Ａというイニシャルは…」

【45】
スパイク「報告って何の報告だ。何て返せばいい？」
　　シド「何を返すも何もこっちとしては、まずはイエスを３回だろ？」
スパイク「わかった。『イエス』」
　　セス「『やはりそうか。ここに密かに通じている人間がいたんだな』」
　モニカ「え。そういう事？…スパイがいるの？この施設に？」
スパイク「そこまで深く考えてないから！入力の規則でしょ？ 」

【46】
　　セス「既にそれが誰かを特定しているのか？」
　　シド「取返しがつかなくなるかもしれない。誰かを陥れる事になるな」
スパイク「でもさ、次の答えはイエスなんだよね。どうしても」
　モニカ「何で、こんな重要な事、私達に任されてるわけ？」
　　シド「打ち返すしかねぇだろ」

【47】
　　セス「態度がはっきりしないな。言えるんだな？」
ビッキー「当の本人が、そうなんだから。言うはずがないんじゃないですか？」
　サリー「アナタ、まだアトリーの事を疑っているの？…というか、こんな事をしていいの？あの中にアトリーはいないのよ？」
ビッキー「でも。セスは、そう思ってる」

【48】
ロドニー「俺を信用してもらっていい。同期として、力になれる事もある。覚えているか。あれは士官学校の２年目の時だ。夜に寮を抜け出して、アップランド通りのパブに通い詰め、日が変わる頃に塀を乗り越えて帰ってきたな。懐かしいよ。俺には心を開いて欲しい」

―スコットがやってくる。

ロドニー「いや、これを使って、中と会話を」
スコット「できるわけないだろう」

【49】
　　セス「いや、だって、様子がおかしすぎるから。…待て。自白はするな。もし、君がそうだったら右手を挙げるんだ」

―ドーラ、恐る恐る左手を挙げる。

　　セス「…左手は…どういう意味だ」
ドーラ「…あ、ごめんなさい、動揺していて、右と左の区別が」

【50】
　　セス「どうするつもりなんだ？ロドニーに正直に名乗り出るか？」
ドーラ「それは…あの…私一人で決めて良い事かどうか」
　　セス「そうだな。……で、どうするんだ」
ドーラ「…え？だから、それは、相談して考えます」