【51】
　アリス「単純な会話」
グレース「他愛もない事でいいのよ。『こんにちは。気分はどう？』みたいな。『晴れ晴れしているよ』『今日の天気はどう？』みたいな」
　アリス「その時々の天気を応えるのは難しいんじゃない？」
グレース「とりあえず、今の天気でいいわね。『深い霧が包んでいる』」」

【52】
ビッキー「誰がスパイでも構わないなんて。やっぱり、良心が欠けている」
　モニカ「天才が故に。いや、それを言い訳にされても困るけど」
　サリー「でも、実際にアトリーはあそこにいやしないのに、決まった通りに応えていくだけで、スパイにされてしまうなんて」
ビッキー「その手があるわ。ねぇ。回答の順番と回数が決まってるのよね？」

【53】
　　セス「ここでこんな事していていいのだろうか」
スコット「こういう言葉がある。『チェスは人生を費やすのに十分美しい』」
　　シド「今、チェスは関係ないけどな」
スパイク「…やっぱり何か、変な匂いしない？」
スコット「お前、俺の体臭がキツイっていうのか！」
　　シド「すげぇ怒ってんじゃん。何なんだよ」

【54】
ビッキー「暗号文にアトリーの名前が出てきた以上、疑ってしかるべきよ」
　サリー「解読チームの中でも意見が割れているんだから」
　ドーラ「待って待って。エニグマとアトリーが何の関係があるのよ」
　サリー「早く出たいが為に、アトリーに疑いを向けているだけに聞こえる」
ビッキー「違う。私は、裏切り者が許せないだけ」

【55】
　サリー「だったら、私たちのこの仕事は何なの。罪のない一般市民を見殺しにするなら、誰の為にやってるの。何の為の情報なの。…だから私は、これを無視できないのよ」

【56】
ビッキー「始めるわね。『単刀直入に聞くわね。アナタは内通者なの？』」
　　シド「また来たぞ」
　　セス「勝手な事をするな。それでもし自白してしまったらどうする！」
ビッキー「それはそれで構わないんじゃないですか？ 」

【57】
　モニカ「イエスとしか答えしかないのよね。この段階では否定できない」
スパイク「『イエス』このままだと、アトリーがスパイに仕上がっちゃう」
　　シド「スパイか。許せねぇな」
　モニカ「私たちのせいだけどね」

【58】
　サリー「セス。アトリーに自白させるのを躊躇っているんですか？」
　　セス「いや、自分のハットの仲間を信じたいだけだ」
　サリー「で。何。あの質問。…アトリーと付き合ってるの？」
　ドーラ「いや、彼は否定したでしょ？２人とも自白はしてませんからね」
ビッキー「え？…アナタがもう１人のスパイなの？」
　ドーラ「え、スパイって何の話？」

【59】
ロドニー「誰なんだ。せめてイニシャルだけでも」
　シーラ「イニシャル？…ＳＡってのはわかってるんだけどね」
ロドニー「どうしてそんなことまでわかる。誰なんだ、ナチのスパイは！」
　シーラ「何でそんな話に？私はてっきりこれの事を、知っているものかと」
ロドニー「何だこれは。…これは…いわゆるラブレターの様だが」
　シーラ「勘違いしないでくださいよ。それは私からあげたわけじゃなくて」

【60】
グレース「『今日の天気はどう？』」
スパイク「『深い霧が包んでいる』」
グレース「『君を生み出した父・ソールをどう思う？』」
スパイク「『多少、異常なところがある』」
グレース「『君は機械か？』」
スパイク「『ただの機械だ』」
　ソール「…どうかね」
サイモン「面白い！」