【71】
アリス「そうね。何を持ってそれとするかは、色々あるだろうけど。彼は生物学的には死んでいるみたい」
ビッキー「え?」
アリス「箱の中で、大量のメモの中に埋もれてた。その傍らにこの棒」
ビッキー「どうしてそんなに落ち着いていられるのよ」
アリス「人は死ぬわよ。必ず。当然の摂理よ」
【72】
アリス「情報将校とはいえ、相手は海軍の現役の軍人よ?」
サイモン「不意をつかれたのか、油断していたのか」
サリー「油断か。そうなると、相手と顔見知りだった可能性もある」
アリス「ええ。このハットの中の人間かもしれない」
サリー「だから報告しないのね?」
ビッキー「内部の人間の仕業だとすると、その本人は気が気じゃないはず」
アリス「アトリーが生きている事にして犯人を特定するのよ」
【73】
ソール「このメモにある言葉を使ってくれ、それ以外は使えない。向うの問いかけに対して、ミネルバが言葉をランダムに選定する」
モニカ「ミネルバというか…それはつまり…私たちが?」
シド「博士。こんな事やめましょう。意味がありません」
ソール「意味はある。チューリングの業績を越えるのだ」
【74】
シド「こんな事、中止して、ミネルバが直ってから新たに取り組むのは?」
スパイク「部品を取り寄せてますから。カクカクした感じのやつ」
ソール「私が部品になろう。どんな形状だ。カクカクしてればいいのか」
モニカ「博士、落ち着いてください」
ソール「頼む。人工知能の世界を、私と、お前たちが切り開くんだ」
【75】
サイモン「どうしたんだ」
ソール「喋ろう」
サイモン「喋るったって。何について」
ソール「いや。………お前の……好きな……食べ物は?」
サイモン「私に興味があるのか?」
ソール「興味はない」
サイモン「フィッシュアンドチップス」
【76】
ロドニー「『アトリー、大丈夫か』」
スパイク「きたよきたよ。どうする」
ソール「…多少、処理に、時間が!もう少し、早く、ならないものかね!」
ロドニー「声がでかいな!博士!静かにしろ!」
ソール「すまない。彼も怪我を負っている。そこの所を汲んでやってくれ」
【77】
シド「『私が注目したのは、この部分だ』」
ロドニー「『どこだ?』」
シド「『頭が痛いな』」
サリー「刺されて瀕死の重傷を負っているのは確かよ」
ドーラ「『どこを?』」
シド「『そこがネックだったわけだ』」
スコット「首を刺されたのか?致命傷じゃないか!?」
【78】
スコット「ホウキで首をえぐられたのか?…相当な使い手だぞ」
シド「適当に答えてたら、アトリーがホウキで首えぐられて大変な事になってしまった」
ビッキー「ホウキの柄って…もしかしてこれの事?」
ロドニー「…血液が付着してるな。『これが?凶器か?』」
スパイク「『侮ってはいけない。なかなかの性能をしている』」
【79】
ロドニー「『凶器はこのホウキで間違いないか?』」
スパイク「『それは、いつのものを使っている?』」
ロドニー「『10年以上前から使ってると言っていた』」
スパイク「『そんな古いものを使うだろうか』」
ロドニー「お前が言ったんだ!」
【80】
スコット「全くだ。噛み合わなくて残念だよ。『刺されたのは一度か?』」
スパイク「『そうだな。回数をあらかじめ決めておこう』」
スコット「『じゃあ、一度って事でいいな?』」
スパイク「『待ってくれ。回数を増やす事はできるのか』」
スコット「それはお前次第だろ。言ってる事がよくわからん」