0.jpg
facebook.png

0002.jpg

【1】(Cage.1 パノプティコン・ケージ)
ツキガタ「今ここには、アナタを入れて3人の囚人がいる」
アラガイ「3人?お前の他にもう1人?」
ツキガタ「その人にはアナタの姿も見えている。俺とアナタがそうなように」
アラガイ「そいつには?俺の声が聞こえているのか?」
クロバネ「それどころか、その間抜けな顔も見えている。って伝えろ」

0003.jpg

【2】(Cage.1 パノプティコン・ケージ)
アラガイ「そいつが俺の部屋を常に見ているのか。不愉快だな」
クロバネ「俺だってお前のような男の部屋なんか覗きたくない。って伝えろ」
ツキガタ「…自分で言えばいいのに。……アンタのようないい男を監視できて、とても嬉しいと、言っているよ」
アラガイ「嬉しいってのはおかしいだろ」

0004.jpg

【3】(Cage.1 パノプティコン・ケージ)
ツキガタ「長い付き合いになるかもしれないんだ。穏やかにいきましょう」
アラガイ「好き好んでここにいるわけじゃない。できれば、そうならない事を願う。だいたい、何なんだよ、この監獄の構造は。扉には鍵がかかっていない。脱獄しようと思えば今すぐにでも出られる」
クロバネ「誰かがおかしな動きをすれば、この赤いブザーを鳴らす」

0006.jpg

【4】(Cage.1 パノプティコン・ケージ)
クロバネ「密告をするというのは、何かしらの怪しげな達成感があるものだ」
ツキガタ「達成感…?ありますか?ありますな。自分だけ体制におもねりたいというか。いい子でいたいというか」

0014.jpg

【5】(Cage.1 パノプティコン・ケージ)
アラガイ「お前たちもそうすればいいじゃないか。優等生ぶりやがって。何をおそれる事がある。俺は出るぞ。皆で一緒に出れば自由だ。そうまでして、この社会で生きていかなきゃならないのね」
クロバネ「押すぞ」
ツキガタ「押すみたい」
アラガイ「押さないで!」

0019.jpg

【6】(Cage.1 パノプティコン・ケージ)
ツキガタ「そろそろ礼拝の時間なんだ。気にしないでくれ」
アラガイ「それは?お前の宗教のしきたりか?」
クロバネ「おい!この中で勝手な事をするな!」
ツキガタ「それでも、やめるわけには。これは最も重要な事だから」

0021.jpg

【7】(Cage.1 パノプティコン・ケージ)
ツキガタ「見逃してもらえないだろうか。人の信仰にまで、ケチをつけるな」
アラガイ「どうしてもやるつもりだ」
クロバネ「少しでもかがんでみろ。即座に押す」
ツキガタ「アンタからは見えないくせに。…わかった。我慢するよ」

0022.jpg

【8】(Cage.1 パノプティコン・ケージ)
アラガイ「おいおいおい」
ツキガタ「紐を結びなおしているだけだ」
アラガイ「ストップだこの野郎!そこから礼拝にスライドするつもりだろ」
クロバネ「押すか!?押すか?!」

0023.jpg

【9】(Cage.1 パノプティコン・ケージ)
ツキガタ「そんなにまじまじと見張らないでくれよ」
アラガイ「俺だって見張りたくてそうしているわけじゃない」

0024.jpg

【10】(Cage.1 パノプティコン・ケージ)
ツキガタ「わかった。結局。他人の行動に不信感を持つようなら、3人でここを出るなんて、できないと思う。…で、あとはアナタの事だ」
アラガイ「お前が何をしたのか、聞かせろよ」
クロバネ「俺は……に勤務していた」

next.png

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10

撮影者:佐藤淳一  ※この画像の著作権は団体並びに撮影者に帰属します。