【41】(Cage.4 ライフログ・ケージ)
トガメ「食べる前提がおかしい。絞ってジュースにした可能性だって!」
タムカイ「細かくするのに切り刻む!アナタはこっち側の人じゃないの?」
トガメ「まだちょっと、悩んでまして」
ユキタ「リンゴなんてものはな、切らずに握りしめてつぶせば、それなりにジュースになるんだよ!」
クロバネ「ちょっと待って下さい!何でアナタ達は、リンゴの食べ方について真剣に話し合っているんですか?」
【42】(Cage.4 ライフログ・ケージ)
トガメ「これは…被害者ではない、別の女性と仲良く写っていますね」
クロバネ「これは男のSNSに投稿されていたものです。調べた所、こちらの女性は、事件のあったマンションに住んでいた」
トガメ「どなたかは知りませんが、もしかして、男の恋人とか?」
タムカイ「きっとそれだ。男は彼女の元へ訪れた」
【43】(Cage.4 ライフログ・ケージ)
トガメ「あの。これ、関係あるかどうかわからないですけど。男と被害者は些細な事で喧嘩をし、口論となったようです」
ユキタ「関係、大ありだろうが!動機だよ動機!さっさと出せ!」
【44】(Cage.4 ライフログ・ケージ)
トガメ「動機かどうかはわかりませんよ。彼女は既に亡くなっていたかも」
ユキタ「は?」
トガメ「彼が部屋に行ったら、彼女は既に亡くなっていた。そこで『何で死んでるんだ』的な口論になごめんなさい、やっぱり私、この男が犯人の様な気がしてきました。さようなら」
【45】(Cage.4 ライフログ・ケージ)
トガメ「その後ブドウとリンゴを購入しています」
ユキタ「何故そう言い切れる」
トガメ「くだものがたべたかったからです」
ユキタ「ああ、うん…」
トガメ「そしてついでにロープを購入した」
ユキタ「何のために」
トガメ「くだものをしばりたかったからです」
ユキタ「ああ、うん…」
【46】(Cage.4 ライフログ・ケージ)
ユキタ「風景の間に一体何があった!?いきなり死んでるじゃないか!」
トガメ「ショッキングな事があって詳しくお見せできませんので。間に風景を挟んだんです。この間、うわぁきゃあっていう何かがあって」
ユキタ「それを説明しろと言ってるんだ」
トガメ「…じゃ、じゃじゃあ、何か、お考えがありますか?」
【47】(Cage.4 ライフログ・ケージ)
タムカイ「その前では、人権は、尊重されないの?」
クロバネ「それより重いものに価値があると、センターは判断している。社会の治安の維持だよ」
タムカイ「誰の為の社会よ」
クロバネ「もちろん市民だが、声を挙げるべき時に、そうしなかった」
タムカイ「そしてこうやって、恣意的な思考で、犯罪者が生まれてしまう」
【48】(Cage.4 ライフログ・ケージ)
タムカイ「そもそもが、彼に罪を追わせたい側にとって、都合のいい情報ばかりが集められている。探せば無実を証明できるものは沢山あるはず。それは私達の目に届かない」
ユキタ「アンタは何者だ」
タムカイ「この社会の仕組みがおかしいと感じている人間です」
【49】(Cage.4 ライフログ・ケージ)
タムカイ「私達としては、彼の犯行ではないと、結論付けていいでしょうか」
トガメ「いいと思います」
クロバネ「今、被疑者が自白しました」
トガメ「あ、やっぱやってたんだ」
【50】(Cage.5 クロストーク・ケージ)
ハルミ「もしもし?」
トガメ「もしもし?」
ハルミ「え?あ?え?あ?あ?え?え?あ?え?」
トガメ「どうしたの。電波が悪いようね」
ハルミ「大丈夫です。すみません」