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【91】(Cage.8 パノプティコン・ケージ)
アラガイ「収容される際に首の後ろに『白』もしくは『黒』の印をつけた」
クロバネ「印は3つの白、2つの黒の計5つの中からランダムに付ける」
ツキガタ「自分の色がわかったらその色のスイッチを押す事で釈放となる」

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【92】(Cage.8 パノプティコン・ケージ)
アラガイ「俺の色を教えろとは言わない。アンタの色を教えて欲しい。アンタの色がわかれば、自分の色が推理しやすくなるって事」
クロバネ「成程。だがな。自分の色がわかったら、お前に教える前にここを出るわ馬鹿!って伝えろ。そういえばわかる」

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【93】(Cage.8 パノプティコン・ケージ)
クロバネ「おい、あの男に何を聞かれても、ヒントを与えるなよ」
ツキガタ「ヒントと言ってもねぇ」
アラガイ「こんな事をして、俺達を閉じ込めたいのか、どうなのか」
クロバネ「今まで、刑務所というシステムには無駄が多すぎた。受刑者に善行を強制しようとして暴力手段に訴える必要はない」

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【94】(Cage.8 パノプティコン・ケージ)
クロバネ「つまり拘束された者は、自ら権力による強制に責任をもち、自発的にその強制を自分自身へ働かせる」
ツキガタ「まあ。そうですね」
クロバネ「ここでは収監されると同時に相手を収監するという二役を演じる」
ツキガタ「うん。そうですね」

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【95】(Cage.8 パノプティコン・ケージ)
ツキガタ「今後、社会の意にそわない人間を大勢、気軽に、恣意的に、捕まえていくって…、そういう事じゃないかな」
アラガイ「市民全員を犯罪者にする気か?」
クロバネ「と同時に、全員を看守にする気なんだよ」

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【96】(Cage.8 パノプティコン・ケージ)
アラガイ「考えろ。白が3つ。黒が2つ。…俺に見えているのはアイツの黒だけ。黒は2つ。もし俺が白だと仮定したら?……俺は白って事だ。俺が黒だと仮定したら?俺は黒って事だ。……だから何だ?…いや、何もわかってないな。何だこの仮定は。俺は何がしたいんだ」

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【97】(Cage.8 パノプティコン・ケージ)
クロバネ「そのまま耳だけこちらに傾けて聞け。このままだと、結局だれも答えにたどり着けない。常に三すくみの状態で、誰も外に出られないように仕向けている。だからお前から見えている俺の印の色をアイツに伝えろ。一種の賭けだ」

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【98】(Cage.8 パノプティコン・ケージ)
ツキガタ「…ちょっと待てよ。隣が黒だと伝えて、もし僕も黒だったら。彼は自分の色が分かってしまう?」
アラガイ「……おい、何だよ!早く言えよ」
ツキガタ「隣の奴のは『白』だ」

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【99】(Cage.8 パノプティコン・ケージ)
アラガイ「それは…本当か?…という事は!………どういう事だ?…白は3つだろ?黒は2つだろ?3引く2は1だろ?…何だこの1という数字は。どこからでてきた?俺は何で今引き算した?」

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【100】(Cage.8 パノプティコン・ケージ)
クロバネ「ガラスが?今度はこっちの部屋が見える。逆になったのか?」
ツキガタ「え…?これを押したから?」
クロバネ「ここからまた、お互いの監視を続けろという事か」
ツキガタ「僕は…間違えたのか?」

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撮影者:佐藤淳一  ※この画像の著作権は団体並びに撮影者に帰属します。