【71】(Cage.6 レコーダー・ケージ)
タムカイ「つまり。直接的な手段に訴えると」
トガメ「もう一度、プロポーズに挑戦するのね?」
アラガイ「それしかない」
トガメ「ふー。乗り切った危なかった。アイツら、こんなきな臭い映像を」
【72】(Cage.6 レコーダー・ケージ)
トガメ「そんな心のこもったプレゼントを貰えたら、喜ぶと思います」
アラガイ「あまりの衝撃に吹き飛ぶぞ」
クロバネ「吹き飛ぶ?指輪で?」
トガメ「吹き飛ぶったって、指だけですよ。なにせ指輪ですから」
クロバネ「充分危険だろうが!」
【73】(Cage.6 レコーダー・ケージ)
アラガイ「跡形もなく吹き飛ぶ」
トガメ「…ねぇ。跡形もなく」
クロバネ「お前は、今、爆発物を作成しようと考えているのか?」
タムカイ「ええ」
トガメ「『ええ』じゃねぇよ!否定しろよ!」
【74】(Cage.6 レコーダー・ケージ)
クロバネ「待ってくれ。先程から話題に出ている、その、恋人というのは」
トガメ「……ええ。…あの。……もうこうなったら私ですよ」
クロバネ「トガメさん。アンタ、政治思想犯と…恋愛関係にあるのか?」
トガメ「成り行き上、そうなりました」
【75】(Cage.6 レコーダー・ケージ)
アラガイ「調べた所、彼女は私生活に隙があり過ぎる」
タムカイ「わかった。そこに付け入るのか」
クロバネ「大丈夫か?都合よく付け込まれてるだけじゃないのか?」
アラガイ「彼女は既に、丸裸にしてる」
トガメ「ええ?ええ?…ええ。そうなんです」
クロバネ「ちょっと、え?想像しちゃう。本気で言っているのか?」
【76】(Cage.7 ダブルシンク・ケージ)
ミツメ「それで相手は、どんな男なの」
ユキタ「ちょっと。会話を盗み聞きするのはもはや仕方ないとして。せめてこっちの会話に入ってこないでください」
ミツメ「いえいえ。別に。お宅の事じゃなく。娘に聞いているんです。この子、結婚を約束した男性がいるとかで」
【77】(Cage.7 ダブルシンク・ケージ)
ミツメ「危ない宗教の信者とか?中卒とか?ロリコンとか?」
ハルミ「違う」
ミツメ「宗教の信者とか?変態とか?何か犯罪者とか?」
ハルミ「違う」
ミツメ「信者とか?」
ハルミ「………」
ミツメ「信者だな。信者だね!
【78】(Cage.7 ダブルシンク・ケージ)
アラガイ「この鞄の中には、爆発物が入っている」
フウコ「爆発物が………アナタ、誰なんですか」
アラガイ「これでセンターを爆破するつもりだった」
フウコ「センターを?!」
アラガイ「その中にある、監視システムをぶっ壊してやろうってな」
フウコ「監視システムを!?」
アラガイ「いちいちうるせえな!大声を出すな!」
【79】(Cage.7 ダブルシンク・ケージ)
ツキガタ「いえ。あの。人並みの幸せというのはいかなるものでしょうかね。お母さんね。世界万民がすべてにおいて共有できる幸せというものはあるのでしょうね。その感じ方、受け取り方は人それぞれですね。それを『人並み』とくくるのはいかがなものでしょうね」
ミツメ「…ええと、何かお気に障るような事を言ったでしょうか」
ハルミ「謝って、お母さん。ツキガタさんに謝って」
【80】(Cage.7 ダブルシンク・ケージ)
ミツメ「わかった。もしかして不倫相手とか?」
ツキガタ「僕が?君の?というか、君は?既婚者だったのか?」
ハルミ「そんなわけないじゃない」
アラガイ「だが、こんな事をしてしまった以上、ただのちんけな悪人だよ」
フウコ「そんな人じゃありません!」
アラガイ「…何で初対面の俺の事を庇ってくれるんだよ」