【11】 小田「いいですか?本当に価値の無い研究なんかない。無駄な時、世間の評判は、評判を、自分達の研究は、研究を続け」 狭川「どなたかの受け売りですか?率直に申し上げましょうか?世間は、小柴チームの複製実験の結果に疑いを持っています」
【12】 小柴「あくまで数値の上での事です。対象が細胞を構成する原子である以上、肉眼で何かが見えるわけではありません。正しい手順を踏んで、実験を施し、数値が導かれた。それを信用する、しないの話です」
【13】 本多「役所が望んでいる結果っていうのは、つまり、そういう事でしょ」 小柴「そういえば、上席、手品がお上手でしたよね」 江崎「もはや、大がかりなイリュージョンだよね。私にはできないよ」 本多「江崎上席がこっちに入って、愛さんがこっちから出てきたら?」 尾久「別人が出てきたらおかしいでしょ!」
【14】 小柴「仁科くん、何してるの?」 仁科「いや、昨日、矢形さんに言われたから、照射テストの準備を」
【15】 戸塚「いやもし、そういう事ができるなら、矢形さんに届けばいいなって。『明日、死んじゃいますよ』って。自分の部屋で亡くなってます」
【16】 有馬「確かめてしまったら、現在が確定してしまうかもしれない。僕らの議論上、矢形さんは生きてるとも言えるし、死んでるとも言える。僕らが観測する事でどちらかの状態に収縮してしまう」 明池「いや、言わんとしている事はわかるけど。どきたまえ」
【17】 小田「いつ、家に戻ってくるんだ。考え直してはくれないだろうか」 狭川「もちろん、私だって気持ちが治まり次第、戻るつもりよ」 小田「すべては君の誤解だ。私に他の女なんて、いるはずがない」
【18】 本多「江崎さん。そこで何しているんですか?え?いつからそこに?」 江崎B「…いや、眩暈を起こしたようで、愛くんは?私と一緒にいただろ?」 本多「愛さんは、今日まで北海道ですよ」 江崎B「何を言ってるんだ。準備を始めてくれ。科学省の技官が来ている」 本多「江崎さん?何だか印象が変わったような。顔が、変になりました?」 江崎B「失礼だな、君は」
【19】 尾久「…昨日、壊れたっていう、私のカップが。全く同じものは無いはずなのに。…江崎さん、今日って21日でしたっけ?」 江崎B「22日だ」
【20】 小柴「室長。技官への検証実験なんですが。本日は実験はできません」 小田「証明できないとなると、君への疑惑が一層強くなる」 小柴「もちろん、わかってます。しかし、これは見世物ではありません。適切な条件下で、入念な準備を必要とします。実験を行うかどうかの最終的な判断は、私に任せて頂きたいんです」
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撮影者:佐藤淳一 ※この画像の著作権は団体並びに撮影者に帰属します。