【81】 狭川「彼女が罪を犯したという、全員の記憶が消えるとでも?それはない」 明池「過去は重なりあっているのですよ。我々の記憶は一続きだと思っている。が実際は、無数の過去から選び取った場面を、一本の記憶として繋いでいるに過ぎない。これはかの『明池章』の考察です」
【82】 尾久「過去が量子的重なりとして存在するなら、観測する事で状態が収縮する。過去が未来を決定する事もあるかもしれません」 小田「そんな事できるわけがない」 狭川「ええ。でも、私は少しくらいは信じてもいいと思いますけどね」
【83】 江崎B「…馬鹿、私、飲むんじゃない!私が例のものを飲もうとしている」 尾久「でも、ここで江崎さんが飲めば、矢形さんは死ななくて済む」 江崎B「私は?」 尾久「死ぬ」 江崎B「馬鹿」
【84】 江崎A「自分に似た人間に、2回も出会ってしまった。私は死ぬのか?」 江崎B「安心してくれ。私は、私だ。というか君だ。というか、君は私だ」 江崎A「あああ、謎めいた意味不明の言葉を呟いている、恐ろしい」
【85】 矢形「至高の結果にたどり着けるのは、何十万という研究者の一握りだ。一人一人がその一生を費やして前に進めるのはほんの数歩だ」 江崎B「焦っているのか。お前」 矢形「研究人生も半分を過ぎたぞ。研究はスピードだ。早ければ早いほどそれでどれだけの人を救えるか。それで…娘は死なずに済んだ」
【86】 江崎A「任務は成功。お待たせしましたこちらポロニウムコーヒーです」 仁科「何で放射性物質を持ってくるんですか!」
【87】 明池「ここでの時間と経費を密かに自分の研究に費やしていたというのか」 本多「お前が言うなよ」 明池「一緒にするな!全部自腹でやっている!何をやっているんだ私は!」 本多「辞めちまえよ」
【88】 有馬「矢形さん!ど、どうして生きているんですか!」 江崎A「ほら!室長のせいですよ!昨日、夜に口笛なんか吹くから!」 小田「君は本当に科学者なのかね」 尾久「江崎さんが過去を変えた結果ですよ。未来は収縮したんです」
【89】 小柴「生体転送はできます。実験には成功しているんです」 狭川「アナタも、何がアナタをそこまで頑なにしているんです」
【90】 狭川「研究と女性研究者の現状は別問題です。道と順序を間違えている」 本多「そっちこそ、ナビついてるのに道順を間違えたりする事もある」 狭川「主張は然るべき時にすべきで、今は黙々と研究に打ち込むべきです」 本多「黙っててほしいのに、すごい話かけてくる人とかいますけどね」 狭川「さっきから私をタクシー運転手みたく言ってくるけど!」 本多「え?違うの!だってそう言ってたじゃない!」
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10
撮影者:佐藤淳一 ※この画像の著作権は団体並びに撮影者に帰属します。