【41】 江崎A「よく考えてくれ。いいか?本多、君は昨日、私と、出会っているな」 本多「はい。毎日。やっぱり、まだ、意識が朦朧としてるんですね」 江崎A「いや、おかしなことは言ってないんだ。いいかよく聞いてくれ。私がユニットを出ると、そこは、一日前なんだ」 本多「今日は今日ですよ」 江崎A「話の通じない奴だな!」
【42】 有馬「あー。死なないかな。あいつ」 仁科「…冗談でもやめたほうがいいな。そういうの。死というものさ、そう軽々しく考えない方がいい」 有馬「どうした。すごい怯えてない?」 仁科「…人が死んでも、念みたいなのは残るからさ。やめた方がいい」
【43】 明池「…何か。聞こえたか?…声がする」 戸塚「…スピーカーから?嘘でしょ?明池さんの研究が?」 声「もしもし、聞こえるか?私だ、江崎だ。メーデー、メーデー」 明池「聞こえます!俺です!明池です!」
【44】 尾久「私は明日、ユニットの中に入ります。そして気づいたら、今ここにいます。私は明日から来たんです」 矢形「おい。しっかりしろ!」 尾久「いや。本当なんです」 矢形「じゃあ、今日何が起きるか。明日、何が起きるのか。言ってみろ」
【45】 狭川「中を拝見できますか」 本多「やめた方がいいと思います。何が起こっても、知りませんよ」 狭川「私が瞬間移動したりするんでしょうか。それなら実験の成功を認めてもいいですけど。ありえないです」
【46】 本多「それとですね、主任が席を外している間、こういう事になりまして」 小柴「…愛さん?どうしてこんな別人みたいな姿に」 本多「あ、違います。別人です」 小柴「じゃあこれは誰よ!」
【47】 江崎A「だが、もっと別の事に成功してしまったんだ。時間移動だ。こういうと、またお前に笑われるかもしれないが。私は、一日前に行ってきた。この目で、実際に体験してきたんだ。こういうと、またお前に矢形お前もしかして死んでるのか?」
【48】 江崎A「じゃあ、その証拠に、昨日何が起こったか、教えてやろう。昨日、飛行機の事故が起き、愛くんのカップが割れたし、設備の会社は倒産した!…こんな事は誰でも言えるちくしょうめ!」 戸塚「まあ、昨日起こったことですからね」
【49】 矢形「215回目の転送実験を行う」 観山「使用しているオリジナルは、培養細胞ですか」 矢形「私が手塩にかけて育てたものだ」 観山「亡くなられた娘さんの。確か、さくらさんでしたっけ」
【50】 戸塚「矢形さんに一体、何があったんですか。一日前に行ったんでしょう?」 江崎A「わからないって。こうして戻ってこれたのも偶然かもしれないんだ」 戸塚「また、行く事はできないんですか?確かめてきたらいいんです」 江崎A「ちょっとコンビニ行って来いみたいな感覚で言うね」
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撮影者:佐藤淳一 ※この画像の著作権は団体並びに撮影者に帰属します。