【71】
　有馬「仁科。正直に話せポロニウム」
　仁科「いや、ちょっと待ってくれ」
　有馬「お前がやったのかポロニウム」
　仁科「結果的には、そうなる。だけど事故に近いもので」
　有馬「何があったポロニウム」
　仁科「語尾が独特すぎて会話が入ってこない」

【72】
　矢形「転送実験には失敗した。だが。図らずも生み出されたのが、君だ。君は、たった一つの培養細胞から瞬時に生み出されたんだよ！私は、君の父さんだよ！おいで！サクラ！」
　狭川「怖い怖い怖い」
　矢形「何が転送実験だ！私は更に別の地平を見つけてしまったぞ！」

【73】
江崎Ｂ「気になる。こんな朝早くから、本多は一人でなにやってたのか」
　尾久「昨日の朝、実験が行われたわけですか。その片付けとかでしょう」
江崎Ｂ「昨日の朝の実験。失敗した実験。一致率９９．８％で失敗か？」
　尾久「これで失敗なら、江崎さんの顔は大失敗って事です」
江崎Ｂ「失礼だな。…どういう事だ」
　尾久「変ですね。時間は今日の夜。まだ行われていない実験の結果です」

【74】
　小田「すみません。間違えました。私は一体、誰と喋っていたのだろう」
　矢形「こちらは、サクラです」
　小田「知ってます。というか下の名前で呼ぶほど親しいのですか？…何をしているんだここで。話し合う機会が欲しいとは言ったが」

【75】
　狭川「狭川と言います。いつからですか？お付き合いいただいているのは」
　戸塚「これ、何ですか？何の話？」
　本多「いつからタクシー使ってますかって事じゃない？」
　狭川「ちなみに、週にどれくらいで？」
　本多「週にどれくらい使うかって事じゃない？」
　狭川「っていうかまたお前かよ！黙ってろよ！」

【76】
　有馬「元はと言えば税金ですね。申し訳ないと思ってます」
　矢形「いや、どうでもいいんだそんなのは！」
江崎Ｂ「えぇ？」
　矢形「有馬！私は見直した！お前はとんでも無いものを作り出したんだ！お前は、優秀な科学者だ」
　有馬「ありがとうございます！」

【77】
　矢形「皆、紹介しよう。彼女は『サクラ』だ」
江崎Ｂ「矢形。お前、何言ってんだ」
　矢形「信じられないのも無理はない。だが、私はこの目で見ている。彼女はたった一つの培養細胞から、ユニットによって生成された」

【78】
　仁科「どうする。技官はまだ意識がないみたいだけど」
　本多「目が覚めたら責任を追及されるのよ。いっその事、レーザーで原子レベルまで分解する？仁科、手が滑った事にしてスイッチいれて」
　仁科「真顔で冗談を言うな。俺一人の責任にするつもりかよ」

【79】
　狭川「生体転送には失敗した。しかし私は一日前を見たような気がします。信じてはもらえないでしょうけど。初めは、この研究室ぐるみで、私に悪戯をしているのだと思いました。或は、夢みたいなものだと」
　小田「君は、しばらく意識がなかったんだ。その可能性もある」

【80】
　矢形「このポロニウムはどこにいったのか。かなりの量だ」
　観山「不思議ですよね」
　矢形「黙っているか。お互い。もちろん。こちらにも保存してある」