【31】 江崎B「…あ、戸塚くん。私、江崎だ。私、顔が変か?」 戸塚「いえ。特に。常々、そういうお顔だと思ってますけど」 江崎B「ならいい。小柴か観山を見なかったか?」 戸塚「小柴さんなら今、江崎さんとお話をしてましたね」
【32】 狭川「最終的なデータを偽造した。という事ですか?しかし、わざわざ書き換えてまで失敗のデータを作成する意味は?」 観山「あくまで結果はデータ上の事。そのデータをこうやって自由に書き換える事が出来るなら。限りなく成功に近いデータも、自由に作成できる。という事です。例えば、昨日の夜のものとか」
【33】 戸塚「一日に黒いナンバーを3回見かけると幸せになるらしいですよ。じゃあ江崎さんを2人見かけたらどうなるんですかね」 明池「はあ?どうにもならないよ。少なくとも10回は見かけるね」 戸塚「そうじゃなくて。ほぼ同時に2人見かけたら。どうなっちゃいます?」 明池「鬱陶しくなるんじゃない?」
【34】 江崎B「ユニットに入った瞬間と、出てきた瞬間の量子の状態が同じだった」 観山「量子は絶えず形を変えてます。ですが、何かしらの瞬間に、入り口と出口の形が同じになたら。それが、過去や未来であっても」 江崎B「…それが偶々、昨日と今日のあの瞬間だったと」
【35】 江崎A「あ。どうもどうも。いるとは知らずすみませんノックもせずに」 江崎B「え。いや、その。まあ。ええ。ええ。どうもどうも。…まずいまずい。もう一人の私に出会ってしまった」 江崎A「…私は、もう、長くはないのかもしれない」
【36】 本多「予備電源とシステムをすべて落として、ユニットを停止させる」 小柴「故意に壊すの?その場合、大丈夫かしら」 仁科「江崎さんたちですか?」 小柴「いえ。設備の方よ。二度と復元できないかもしれない」 仁科「…え。そっちを心配します?」
【37】 戸塚「でももうすぐ、結婚なさるみたいで」 狭川「その話。もっと詳しく聞きたいわ。それは?研究所の人?」 戸塚「ええ、まあ、その」 狭川「でも、小田室長は奥様と、そう簡単に別れられないと思いますよ」 戸塚「え?待ってください。え?奥様?ご結婚なさってるんですか?」
【38】 有馬「ここの所、ずっと具合が悪いみたいで」 矢形「それは重々承知している。だから。何とかしろと言っている」 有馬「俺がですか?何で俺が」 矢形「お前だよ。お前が仕込んだんだろ?」 有馬「俺じゃない!作ったのはアンタなんだろ?!」 矢形「何でだよ!」
【39】 仁科「本当に?…これって、使えるの?」 本多「騙されたと思って」 仁科「愛さん!聞こえますか?予定の飛行機に乗ってはいけません!」 観山「仁科。騙されてるよ」
【40】 江崎B「あー、助けてくれ。私は今、ユニットの中に閉じ込められている。じゃあ、何で、こうやって話ができているかというと、これは私が昨日にいるからで、どうしてこんな事になったかは、量子状態の」 明池「それ、どこにも繋がりませんよ」 江崎B「じゃあ何なんだこの無駄な研究は!」
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撮影者:佐藤淳一 ※この画像の著作権は団体並びに撮影者に帰属します。